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高森明勅
2019.5.25 06:00皇室

大嘗祭研究の進展

昭和から平成への御代替わりの頃。

大嘗祭について関心が極めて高かった。

当時、大嘗祭の研究に打ち込んでいた私から見ても、異常に感じたほど。
しかし、大嘗祭とは「天皇霊」を継承する密室の秘儀、
という折口信夫説を俗流化した見解が、
十分に吟味されないまま横行していた。

これに対し、岡田荘司氏らが綿密な実証的批判を加えた。
これによって、天皇霊秘儀説は既に過去の学説となっている。
だが、そうすると次に、以下のような疑問が浮かび上がる。

「(上記の実証的な批判の結果)描かれた大嘗祭の像は、
限りなく平板で、かぎりなく貧しい」
「それでも大嘗祭は王位継承儀礼なのか」(赤坂憲雄氏)と。

これに対する真正面からの回答は余り見当たらない。

手前味噌ながら、
私のささやかな大嘗祭研究の成果
(『天皇と国民をつなぐ大嘗祭』)は、
数少ない実証的な回答の1つなのかも知れない。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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